Photo by Nao Saito
触れて知る風景?
フィンランドはヘルシンキの視覚障害者センターIIRIS(イーリス)のエントランスホールには、指先で触れることで館内の間取りを把握するための「触知地図」が設置されています。
これを作成したのは、ヘルシンキ芸術デザイン大学出身の日本人デザイナー、齋藤名穂さん。視覚障害者にとっての「カラフル」な地図を作るというコンセプトのもと、点字をなるべく使わずに、素材の種類とパターンだけで、いかにして指先に触覚的な意味での「豊かな色彩」を感じさせるかに挑戦したそうです。その結果として完成した地図は、健常者にとっても「視覚障害者が触覚を通してどのように世界を把握しているか」を可視化する手がかりにもなりました。
今回東京で開催されるワークショップは、齋藤さんの数ヶ月に渡る触知地図の開発と、そこから今に至る視覚障害とデザインの関係性にまつわるプロジェクトの一端を垣間見ることができる内容かと期待しています(このあたり情報が限られているため、希望込みの憶測に過ぎないのですが)。何より、参加する子どもたちがこの時間の中で何を感じ、気づくのかを、いち見学者として静かに見守ることから始めてみたいと思います。
[ 2月27日追記 ]
諸般の事情により、このワークショップは中止になったそうです。
近い将来、状況が整って実現することを心から願います。
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『目の見える子と見えない子の触る地図によるコミュニケーション
- 日常の見える風景と、触る風景・聞こえる風景・香る風景を重ねる - 』
日 時:2009年3月7日(土)14:00 - 16:00
会 場:東京大学情報学環 福武ホール
定 員:12名
対 象:晴眼者の子どもと視覚障害のある子ども
小学校4年~中学生各6名(ワークショップではペアになって活動)
見学者:ワークショップや触地図教育に興味のある方 ※スタッフを数名募集します
参加費:500円(子供) 1,000円(見学者) ※ともにお茶・お菓子代込み
主 催:東京大学情報学環 山内祐平研究室
企画およびファシリテーション:齋藤名穂(デザイナー)
企画協力:ヘリナ・ヒルン(歩行訓練士・触地図初等教育研究者/フィンランド)
大月ヒロ子(ミュージアム・エデュケーション・プランナー IDEA,INC)
※募集は終了しています。
※記事中の参考資料→JDN 齋藤名穂さんインタビューより